日本国際情報学会 学会誌 創刊号  編集後記

 

編集後記  

        日本国際情報学会誌 編集委員長 五十嵐雅郎

 本号は、昨年5月発行の創刊号に次ぐ、学会誌第2号である。3年前に日本大学大学院総合社会情報研究科の教員・修了生を中心に設立された当学会は、毎年研究会や公開講座を開催して、その研究成果を公表してきた。さらに、昨年度からの本格化した学会活動を一層拡充させるべく、学会誌「 日本国際情報学会紀要」の編集・発行を行う編集委員会の機能強化と査読を行うレフエリー・チームの増強に注力した。

今回の第2号では、当初10編を越す論文提出がなされたが、高い質の論文を掲載したいとする当学会誌の方針のもとに、まず編集委員会が論文の内容をチェックし、これに合格した論文をレフェリーに送って、再度内容を精査するように努めた。その結果、一般論文は3編に止まったが、そのいずれもが出色の出来であることで、編集を終えた編集委員は全員満足感を持つことが出来た。

前回でも述べたが、わが国の高度成長期時代に作られたさまざまな制度、慣行が金属疲労を引き起こし、さらには思考方法、価値観までが揺らぎつつあるのが現状である。社会科学の分野では、特にそうであって、「日本の常識は世界の非常識」と言われるくらいだ。こうした時代の研究者は、旧来からの専門領域のみでなく、その関連領域をも含めたマルチ・デシプリナリーなアプローチで、研究に取り組むことが必要である。研究者は、国内情報はもちろん国際情報に一層気を配って研究課題にチャレンジし、その成果をドンドン公表してゆかなければならぬと痛感するものである

 

(編集委員会を代表して、五十嵐雅郎 記)               2004年6月18日