日 本 の 平 和 と 繁 栄 、安 全 を 考 え る セ ミ ナ ー

      ──安全保障関連法制定とこれからの日本──      

                                主催:日本国際情報学会

                                後援:防衛省(申請中)

   近年、国際社会の状況は厳しさを増しており、国家間において力が前面に出てくる
こともあります。また国際テロリズムの脅威も激しくなっております。
 このような中、戦後約70年にして普通の国並みの安全保障体制や法制が整いつつあ
ります。
 これらが整いつつあるといいましても、いまだ賛否両論が絶えません。
 本セミナーでは、安全保障関連法制定と日本(とくにメディア)について皆さんが
考えを巡らされるにあたり、なにがしかの示唆を得られることを願って、3人の講師
の方にお話をして頂くことにしました。
 当学会は、日本学術会議より協力学術研究団体の承認を受け、活発に活動しており
ます。当学会設立の趣旨にありますように産学官の幅広い人材で構成されており、そ
の具体的行動の一つが本セミナー開催であります。
 一般の皆さん方及び学会員のご参加をお待ちしております。

日時 平成27年9月26日(土)10時〜17時(参加費無料)(終了後、懇親会予定)

場所 日本大学通信教育部31講堂(3階)(東京都千代田区九段南 4−8ー28)

 定員150名(申込み書は別示。定員を超えた場合は抽選)

 講演テーマ・講師

    雑誌論調に見る日本人の自画像・対外認識

    近藤大博氏(日本国際情報学会会長、元『中央公論』編集長)

   テロリズムをめぐるメディアと危機管理

    福田充氏(日本大学法学部教授兼同大学院新聞学研究科教授)

    平和安全法制の制定とこれからの日本

    西元徹也(公益社団法人隊友会会長、元統合幕僚会議議長)

☆ 安全保障関連法制の国会審議状況によって講演テーマを若干変更することもあります。


講 演 要 旨 ・ 講 師 略 歴

1 雑誌論調にみる日本人の自画像・対外認識

   一篇の論文が、日本を、世界を変えた、変えることがある。将来像を語るには、現在
までの変化のプロセスを踏まえなければならない。日本人はいかに自らを国際社会に位
置づけてきたのか。国際感覚・対外認識はいかなるものか。ユニークなのか、はたまた
諸外国のそれとの遊離はないのか。日本の総合雑誌は、明治の創刊以来、恒常的に、日
本・日本人の自画像に迫り、国際社会の理解・把握のための情報提供を試みてきた。雑
誌論調は、世論形成・政策決定にいかなる影響を与えてきたのか、与えているのか。雑
誌論調そのものに問題はないのか。雑誌論調を通史的に辿り、日本人の安全保障観に迫
り、日本の世論形成・政策決定の問題点を、雑誌編集の実体験に基づき、探る。

    近藤 大博(こんどう・もとひろ)

   昭和20(1945)年、北京生まれ。東京大学文学部卒。昭和43(68)年中央公論入社、昭和
60(85)年『中央公論』編集長、平成2(90)年中央公論退社。米国ミシガン大学客員教授、
米紙「アトランタ・ジャーナル」客員論説員、『外交フォーラム』編集長、日本大学大
学院総合社会情報研究科教授などを歴任。現在、日本大学大学院・早稲田大学政経学術
院・東京情報大学大学院非常勤講師、日本国際情報学会会長、松下政経塾評議員などを
兼務。著書に『漂流する日本』、『浮遊する日本』(ともに花伝社)ほか。
近藤大博HP
http://atlantic.gssc.nihon-u.ac.jp/~kondou/

2 テロリズムをめぐるメディアと危機管理

   日本人二人が殺害されたイスラム国邦人人質事件では、イスラム国の発するメッセー
ジをめぐり、メディア報道のあり方や政府の対応が問題となった。テロリズムにおいて、
メディアはテロリストのメッセージを宣伝するためのプロパガンダの道具として利用さ
れるという「テロリズムとメディアの共生関係」は古くから指摘されてきたが、インタ
ーネットやソーシャルメディアを活用する現代のテロリズムにおいては、テロリズムと
メディアの関係は変容を遂げている。イスラム国邦人人質事件をケーススタディとして、
危機管理学の観点から、メディア報道のあり方、グローバルなソーシャルメディア・コ
ミュニケーションの問題、政府のインテリジェンス活動等について考察を行う。

    福田 充(ふくだみつる)
 1969年、兵庫県生まれ。博士(政治学)。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
単位取得退学。専門は危機管理学、リスク・コミュニケーション。内閣官房委員会委員、
コロンビア大学戦争と平和研究所客員研究員などを歴任。日本マス・コミュニケーショ
ン学会会員、警察政策学会会員など。著書に『メディアとテロリズム』(新潮新書)、
『テロとインテリジェンス〜覇権国家アメリカのジレンマ』(慶應義塾大学出版会)、
『リスク・コミュニケーションとメディア』(北樹出版)など。
福田充HP
  Web: http://homepage3.nifty.com/fukuda326/

3 平和安全法制の制定とこれからの日本

  平和安全法制は目下国会審議中で未だ不確定であるが、我が国の安全保障・防衛法制
には現場からみて●従来どのような問題点があり、それがどのように改正されたのか、
●それで従来の問題点を十分に解決できたのか、●今後の課題は何か、●これからの日
本は日米同盟の充実強化と抑止体制の強化、積極的平和主義のもとアジア太平洋地域及
び国際社会の平和と安定への寄与を如何に具現していくべきか、等について私見を申し
述べ大方のご批判をいただきたい。

    西元 徹也(にしもとてつや)
 昭和11年鹿児島県生まれ。昭和34年防衛大学校卒業後、陸上自衛隊入隊。陸幕防衛
部長、陸上幕僚長(カンボジア・モザンビークPKO、ルワンダ難民救援等に対応)な
どを経て平成5年〜8年防衛庁統合幕僚会議議長(北朝鮮核危機、台湾海峡危機、阪神
淡路大震災、地下鉄サリン事件等に対応)。退官後の平成10年カンボジア総選挙日本監
視団長を務め、活動終了後防衛庁顧問。平成14年「日本地雷処理を支援する会」結成に
伴い顧問を辞して会長に就任。平成23〜24年、防衛大臣補佐官。第一次・第二次安倍内
閣の安保法制懇委員を務め、現在、公益社団法人「隊友会」会長、総務省消防庁ほか各
種団体の委員などを務める。