日本国際情報学会 学会誌 創刊号 巻頭言
|
発刊の言葉 日本国際情報学会会長 近藤大博 社会科学は、その研究の歴史において、多くの先達の知恵と経験を蓄積させ現在があります。たしかに知識の積重ねと経験に支えられた研究は重要です。それらの蓄積が各学問の礎としてあります。 しかし、今日、国際化・グローバル化の波は、各学問の境界・領域・枠をいとも容易に乗り越えます。各学問の境界・領域・枠を乗り越えたかたちで、新たな問題が生じています。 各研究者は、従来の礎・専門領域に拘泥していては、新時代に、新たな問題に、対処・対応できません。 また、グローバル化は、国境を超えての研究協力、積極的な情報の受発信の機会をもたらしました。この機会を大いに活用すべきです。縦横に協働研究すべきです。研究成果を共有すべきです。 今日の社会的・公共的問題は、知識・学問と社会・政治の境目にあります。さらには従来の学問体系では対処不能・対応不能となっています。解決するためには、学際的な集団の確立と学際的な取り組み、ひいては学際的な理論的枠組みが必要となります。 つまり、21世紀の現在、社会学・経済学・歴史学・心理学・哲学等々の専門領域・枠を超えた協働研究が必要不可欠となってきているのです。 既存の考え方・方法論、既存の専門分野にとらわれることなく、幅広く研究テーマを募りたいと存じます。学際的な研究に積極的に発表の機会を与えたいと存じます。多くの方々が斬新的で視点の違う研究を競い合う場を設定したいと存じます。 日本国際情報学会は、上のような思いを密かに胸に、2002年3月に設立されました。 このたび、会員の研究を促進すべく、活動の成果を公表・公開すべく、学会誌発行を企画しました。本誌がその創刊号です。 今回発刊にあたり、多くの方々から、ご指導、ご支援を賜りました。厚く御礼申し上げます。 本誌が、広く世に迎えられ、新しい社会の創造に多少なりとも寄与できますよう、さらに学問の垣根が取り払われた研究の場として数多くの研究者に活用していただきますよう、祈念いたします。 2004年5月10日
|